1000枚のトースト

ささやかな日常をしとやかにシタタカに綴ります

桜はセツナイ

4年前の春、運転中に母からの電話が鳴った。

車を路肩に停めてかけ直す。

家族を伴いA病院へ行くよう、かかりつけ医から紹介状を渡されてきた。

あーコレってドラマとかでよくあるやつ…遂に来たか、と思いながら話を聞いていた。

車の外は満開の桜並木。

翌日、A病院にて母と妹と待ち合わせることになった。

最寄り駅からタクシーでA病院に向かう道中、どこもかしこも満開の桜。

その後10ヶ月ほどの闘病の末、母は旅立った。

母が見た人生最後の桜はあの日の桜だ。

 

そんなこんなで桜は切ない。