1000枚のトースト

ささやかな日常をしとやかにシタタカに綴ります

じいちゃん床屋へ行く

じいちゃん(舅)を床屋へ連れて行った。

2ヶ月に一度の散髪。

髪の毛はほとんど無くても残っている髪の毛が暴れだす。

ずっとお世話になっている床屋さん。

ひとみ婆ちゃん(志村けんさん扮するキャラクター)みたいな女性二人で営業している。

二人の関係は伯母と姪だ。

ひーちゃんB(姪)は従業員で散髪を担当、ひーちゃんA(伯母)はオーナー、散髪後にコーヒーを出したり、アテンド担当である。

じいちゃんの運転手として初めてその店に行った日、じいちゃんの隣でレディースシェービングしてもらっちゃおうかな…と目論んでいた。

もちろんお代はじいちゃんのお財布から出していただく。

でも、なんとなく止めておくことにした。

眉毛、剃り落とされたら困る…ってのが1番の理由だ。

この二人と本物のひとみ婆ちゃんとの違いは「記憶力」である。

じいちゃんの散髪を待つ間、ひーちゃんAの世間話に付き合うことになる。会話はワンパターンではあるが前回の話の内容やこちらのプロフィールをしっかり覚えてくれているのだ。

さすがである。

この床屋さん、ちょっとだけワタシ的に困った事がある。

じいちゃんはほぼ入れ歯で、下の入れ歯はいつも装着しているのだが、上の入れ歯は半年以上前から合わなくなり、それが不快だということで絶対に装着しない。

その状態でじいちゃん的に不自由ないので歯医者に行く事もしない。

(将棋のひふみんさんと同じような理由なのかな)

じいちゃんの鼻の下の縦皺は入れ歯を装着していないせいで深〜く深〜く刻まれてしまい、皺の奥から生えている髭の剃り残しが出来てしまう。

その事がプロ意識高いひーちゃんBとして許せないらしい。

毎回、次回は上の入れ歯も装着して来て下さいね…と言われてしまう。

絶対に信念を貫き通すじいちゃんVSじいちゃんの鼻の下の髭を思い通りに剃りたいひーちゃんB、間に挾まれワタシの憂鬱の種となっている。

ちょっとしかないじいちゃんの髪の毛。

暖かくなってきたことだし、床屋さんに行かないで、庭に出てバリカンで刈っちゃおうかな。

ご近所さんに「優しくて気の利く嫁っこ」アピールしちゃうぞ。