1000枚のトースト

ささやかな日常をしとやかにシタタカに綴ります

禁断の寝室

Yさんの断捨離番組のファンである。

自分の断捨離の参考にしたり、やる気スイッチを入れるために観ていた。

毎回、荷物が溢れた汚部屋が出てきて、それぞれの人生が垣間見えるのも面白い。

以前からずっと気になっていた一人暮らしの舅の寝室。

先日までは入室を断固拒否されてきた。汚れていて恥ずかしいとのこと。

最近、少し心身共に弱くなってきて、掃除、片付けをしても良いという許可がやっと下りた。

オットットからは「凄い状態だぞっ」と脅かされていた。

薄暗い締め切った8畳の和室。

覚悟して入ってみる。

第一印象は「あれ?この程度?」であった。

断捨離番組に出てくる部屋に比べたらまだまだチョロい。

部屋の真ん中に万年床。

その周りに衣類の山がいくつかあるが畳は見えている。

一気に捨てることが出来ればよいのだが、そうもいかない。

舅曰く、掃除機は十年くらいかけていないとのこと。

今日は目に余る汚れた衣類をこっそり捨てて掃除機をかけ終わりにした。

替えの靴下を持参しなかったことだけ悔やまれる。

 

 

 

いまさら混浴

オットット紅葉狩りに出かけた。

「紅葉」と「蕎麦」と「日帰り温泉」が目的である。

紅葉の綺麗なクネクネ山道をドライブする。

観光客で賑わう温泉を避け、どんどん奥地へ。

そこで山小屋ロッジ風の建物を見つけた。

「日帰り入浴OK」とある。

玄関先でぶどうの蔦を弄っているお姉さんがいる。

入浴の可否を尋ねると「大きいお風呂しか入れませんがどうぞ!」との応え。

内心「大きいお風呂?1つ?交替で入るのか?」と思ったけれどここで断るのは悪い。

オットットと二人で大浴場混浴貸し切りで入ることにする。

ちょいと熱めのお風呂に二人で浸かる。

お互いに裸体を晒すのは何年振りだろう。

何年じゃなくて何十年振りだな。

なんとも言えない気分だ。

二人共長くお湯に浸かるのは苦手なので早々に引き揚げる。

風呂上がり、サービスの冷たい水とルイボスティーを頂いていると、くだんのお姉さんがやってきた。

あまりにも短時間で簡単な入浴に驚かれてしまう。

少し会話をするとお姉さんはこのロッジへ嫁いでまだ2年とのこと。

あちこちに子供用のカラフルなおもちゃが置いてある。

オーナーは若いご夫婦なのだ。

すっかり枯れた我々夫婦は一緒にお風呂に浸かってもな〜んもすることはないのだよ。

ほんのり硫黄の香りがして適度に熱く、とても良い湯でございました。

 

Y電器にて

先日Y電器にて冷蔵庫を購入した。

その後暫くして見知らぬ番号から電話がかかってきた。

怪しいので電話を取らないでおいて、後から番号をネット検索してみた。

どうやらY電器での購入履歴からお客様情報を取得し、家庭用ウォーターサーバーをセールスするものだったらしい。

ポイントカードを作った時に、お客様情報を他のところで使って「良い」にチェックでも入れてしまっていたのだろうか?

それともなんとかキャンペーンでお米を貰ってしまったからだろうか?

 

昨日、再びY電器で買い物をした。

対応してくれた店員さんにその話をした。

すると、「へぇ〜そんなことありましたか」

「聞いたこともないですね」との返答。

「自分では分からないので確認して対応させていただきます」の一言もない。

他の商品について問い合わせると「自分は白物家電の担当なので」と逃げられた。

そのくせ申込み用紙を記入する際、わざわざ電動リクライニング式ソファコーナーへと案内し、どでかいテレビの正面に座らせ、勝手にリクライニングを作動させてみたりする。

これからテーブルで申込み用紙に記入するって時にそれは無駄なセールスだろっ!

白物家電担当なんだからさ。

こういう時は普通は怒った方がよいのだろうか。

「上の方を呼んでください」と怒鳴る気力もわかない。

毎日毎日、面倒くさいお客様相手に大変なんだろう。

社員教育もテキトーなんだろうか。

上司、同僚からも怒られて大変だろうな…と余計な心配をしてしまった次第である。

 

 

鼻呼吸への道

夜中の咳に悩まされている。

一度目が覚めてしまうと咳が落ち着いてもなかなか次の眠りに入ることが出来ない。

猫も一緒に起きてしまうものだから、トイレに行ったり、猫のトイレを片付けたり、家計簿つけたり読書をして再び眠気がくるのを待つ。

何故、夜中に咳が出るのか。

仰向けに寝るのがよくないとか、口呼吸がよくないらしい。

妹に相談したら「口にテープを貼って寝てみては?」。彼女もやってるらしい。

早速実践してみる。

鼻呼吸には慣れてきたようだが、やはり咳が出る。

テープを貼ったまま咳をするのはなかなか難しいものである。

テープに少し余裕をもたせると具合いがいいことを発見した。

足の関節炎用に買ったテーピングテープがこんなところで役立っている。

就寝前、口にテープを貼りながら、安来節を踊りたくなるのをグッと堪えている。

 

 

丸9年

この街に引っ越してきて丸9年が経った。

まさかこんなに長く留まることになるとは想像していなかった。

大好きなF市からの転居。

F市に絶対に戻ってやる!その一念でやってきた。

4年前、その願いが絶たれ、軌道修正することになった。

そして現在に至る。

激動の9年であった。

「別れ」が本当に多かった。

両親、愛猫達を見送った。

人生は出会いと別れの繰り返し。

そして断然別れの方が多い。

だからこそと出会いを大切にしてきたつもりたが、どうやら「また」失敗したらしい。

9年過したこの街に「知り合い」はいるけれど、「友達」と呼べる人は…いない(涙)。

 

 

きっかけは通帳紛失

先週、舅が通帳が無いと言い出した。

家の中にあるはずだが再発行をする方が手っ取り早い。

舅と共に金融機関を巡った。

再発行した翌日、また何度も通帳が無いと繰り返す。

昔のことはよく憶えているのに直近のことはどんどん忘れてゆくようだ。

いつか来るとは思っていたけど、遂にきたぞ。

申年生まれの91歳、一人暮らし。

姑が亡くなってから11年、寂しい寂しいと言いながらよくここまでガンバってきたと思う。

これからが我々の出番なのだが、何処までやれるかな。

自信は全く無い。

 

 

 

お店開拓

自宅から徒歩3分のところに、ザ·昭和の食堂風のお店がある。

店名は「K食堂」。

カレー、ラーメン、蕎麦、うどん、とんかつ…なんでも有り。

日曜定休、平日と土曜はランチタイムと夜の営業をしている。

平日の昼は常連さんで賑わっているようだった。

お店の前を素通りするだけで一度も入ったことはなかった。

そして通る度、中の様子が気になっていた。

いつも美味しそうないい匂いと、活気ある賑やかな声が店外に溢れていたのだ。

あるワタシ不在の夜、オットットに偵察に行ってもらった。

その感想は、決して芳しいものでは無かった。

「貴女は行かない方がよいかな」と微妙な感想である。

それなのに、何故かその店へワタシを連れて行きたい素振り。

夕飯作りをサボりたい気分の日、チャンス到来と「K食堂」へ二人で出掛けた。

外観から想像する通りの店内。

カウンターは5席、常連さんでほぼ埋まっている。小さいテレビでは野球中継。

4人掛けのテーブル席が空いていたのでそこに座る。

高齢の白髪交じりの三角眉の親方が笑顔で1人で切り盛りしている。

何もかも想像通り。

メニューは昼夜共通らしくバリエーション豊かではない。

だが、生ビールのジョッキは大きく良く冷えており、食べ物の味も量も悪くない。

お通しはサービス、サラダもオマケで出てきた。

お腹いっぱい食べて飲んで「3,600円」だった。

カウンターに1人で座っていたオジサマが発した一言に耳を疑う。

「このお酒ラップしといて。明日飲むから」。

いいなぁ〜こういう感じ。

不思議な魅力にハマりそうな予感である。