自宅から徒歩3分のところに、ザ·昭和の食堂風のお店がある。
店名は「K食堂」。
カレー、ラーメン、蕎麦、うどん、とんかつ…なんでも有り。
日曜定休、平日と土曜はランチタイムと夜の営業をしている。
平日の昼は常連さんで賑わっているようだった。
お店の前を素通りするだけで一度も入ったことはなかった。
そして通る度、中の様子が気になっていた。
いつも美味しそうないい匂いと、活気ある賑やかな声が店外に溢れていたのだ。
あるワタシ不在の夜、オットットに偵察に行ってもらった。
その感想は、決して芳しいものでは無かった。
「貴女は行かない方がよいかな」と微妙な感想である。
それなのに、何故かその店へワタシを連れて行きたい素振り。
夕飯作りをサボりたい気分の日、チャンス到来と「K食堂」へ二人で出掛けた。
外観から想像する通りの店内。
カウンターは5席、常連さんでほぼ埋まっている。小さいテレビでは野球中継。
4人掛けのテーブル席が空いていたのでそこに座る。
高齢の白髪交じりの三角眉の親方が笑顔で1人で切り盛りしている。
何もかも想像通り。
メニューは昼夜共通らしくバリエーション豊かではない。
だが、生ビールのジョッキは大きく良く冷えており、食べ物の味も量も悪くない。
お通しはサービス、サラダもオマケで出てきた。
お腹いっぱい食べて飲んで「3,600円」だった。
カウンターに1人で座っていたオジサマが発した一言に耳を疑う。
「このお酒ラップしといて。明日飲むから」。
いいなぁ〜こういう感じ。
不思議な魅力にハマりそうな予感である。