1000枚のトースト

ささやかな日常をしとやかにシタタカに綴ります

100KMウォーク

10KMマラソンの数年後、懲りもせず今度は100KMウォークにエントリーした。

ある半島を一周すると距離にしてちょうど100KM。

ほぼ丸一日かけて皆んなで歩きましょうという企画だ。

ポイント毎に梅干しやおにぎり、果物、土地の名産の差し入れがあったりして楽しそう♫と軽い気持ちでエントリーした。

長距離歩行に耐えられる自分の脚に合うスニーカーを準備しようと、シューフィッターさんの居るお店を訪ねた。

100KMウォーク用ならスニーカーではなく、ウォーキングシューズですとのアドバイス。中敷き付きで数万円のウォーキングシューズを買わされた。

多少のトレーニングは必要かと普段なら電車やバスを使うようなところをわざわざ歩いたりもしてみた。

そして迎えた当日。

習い事の仲間との参加だったのでお喋りしながらゆるゆるダラダラ歩いていた。

真面目に歩いている人からどんどん遅れを取ってゆく。走ってはいけないはずなのに、競歩というよりランニングになっている人もいた。

一方で我々は遅れをとるだけでなく、ポイント毎の差し入れのおやつにもありつくことが出来ない有り様。さっさとそこを通過したヒトが食べてゆくのだから当然だ。

大きな皿に何かしら食べ物が盛られていた形跡しか残っていない。

半ば不貞腐れつつ、それでもお喋りが止まらない。

何度かボランティアの人達からペースを上げるよう声をかけられる。

遂に夕暮れを迎え、辺りは暗闇になってしまった。そろそろ真面目に歩こうかとした時、丁度中間ポイントでタイムオーバーとなってしまった。

「この地点からゴール迄歩くのは勝手ですが、何があっても自己責任です。ただしここから出発地まで戻るのであればバスで送り届けます。」ということだ。

バスに乗り出発地点へ戻ることを選択した。

バスの中では疲労とショックで呆然としていた。こんなはずではなかったのにな。

朝のオープニングはとっても賑やかで盛り上がっていたのに、エンディングは真っ暗だし、人は少ないし、寒々しかった。

もしも完歩できたら…いや、完歩出来なくても皆んなで温かい物を食べて打ち上げしようと約束していたはずだが、それどころではなくなっていた。

とにかく一刻も早く家に帰りたい。

身体がガタガタと震えてきた。

ボロボロの状態でどうにか家に辿り着いた。

…と記憶している。

そして発熱、数日間寝込んだ。

数万円かけた靴だけが残った。

この靴、機能重視だったので全然オシャレじゃない。ひとことで表すとババ臭い。

しかもワタシ専用にカスタマイズしてある。

こういうモノは即刻断捨離。

サヨナラッ!