1000枚のトースト

ささやかな日常をしとやかにシタタカに綴ります

象牙の行き先

オットットの実家の床の間に飾ってあった一本の象牙、舅から手放して良いとの許可が下りた。

50年以上前に13万円で買ったと聞いている。ご近所の人に宣伝をしたので商品の中でも「良いモノ」を選ばせてもらえたそうだ。

(この手の話は半分はホントかもしれないけれど、だいぶ脚色してある。)

その割には大して思い入れもなさそうだし、いずれはこの家を処分するので(舅には言ってないけど)この機会にさっさと手放してしまいたい。

象牙の売買には登録証が必要ということまではなんとなくわかっていた。

当然この象牙には登録証なんて付いてない。

登録証のことはさておき、買取り業者に相談してみることにした。

買取り業者Fさんに見てもらう。

登録証があれば買取り可能ではあるけれど、どうやら登録申請には8〜9万円ほどかかるらしいとの情報。

それだけお金をかけて登録証を取得してFさんでのこの象牙の買取って貰えるとしても2万円弱しか付かない。大赤字である。

それを聞いたオットットは「ハンマーで砕いて不燃ゴミに出すしかないかぁ〜」と言う。

愛猫の抜け落ちた犬歯、髭さえ捨てられずに取っておくくらいなのに、猫の体重より重いこの象牙を残酷な方法で処分することはとても出来そうもない。

Fさんから教えてもらった登録証の申請先へ問い合わせてみた。

象牙の一部を削り、その粉を民間の鑑定機関に送り、年代を特定してもらう費用が8〜9万円らしい。

興味はあるけれど、鑑定費用が高すぎる。

お金なんて要らないからとにかく手放したい。

なんだかトランプのババ抜きをしていてババが回ってきた時の気分だ。始末に困る。

剥製だの象牙だの毛皮だの買うヒトの気が知れない。

終活、断捨離をする時はこういう系のモノが最も厄介だ。

気持ちよく始末できない物は遺すべきではないと改めて感じた。