どうしても目を逸らしてしまうことがある。
オットットが仏壇に手を合わせるその時、その様子を正視することができないのだ。
仏壇はワタシの実家の先祖、祖父母、父母を祀ってあるものだ。
ワタシは毎朝水やご飯を供え、線香を灯している。
オットットは朝食のテーブルに座る前に仏壇の前に立つ。
彼は呼吸器系が弱いので線香の煙が苦手だ。仏壇の前では御鈴を鳴らし手を合わせるだけだ。ほんの数秒の動作である。
何故その様子を見ることができないのか。
それはオットットがどれだけ丁寧な合掌をしているのか、それともオザナリな合掌なのか、確認したくないのだ。
3秒くらいかけて手を合わせているのなら、まぁまぁ気持ちがこもってそうでヨシと思える。
だがもしそうでなかったら…。
朝は穏やかな優しい気持ちで過ごしたい。余計な感情は持ちたくない。
オットットに対しモヤモヤ、イライラしたくない。ツッコミも入れたくない。
ならば、見ないでおくのが一番だ。
自分でもずいぶん気が弱いものだと思うが
仕方ない。
今日も明日も目を逸らす。