毎年この時期に流れるイルカさんの「なごり雪」。
この曲を聴くと○○○○を思い出す。という人は多いと思う。
そういう真っ直ぐ曲の趣旨に沿った思い出とはちょっと違う、だけど必ず思い出してしまう思い出がある。
高校時代、演劇部に所属していた。
6月の公演に向けて2月くらいから準備が始まった。
シナリオ、曲、ダンス全て自分たちで創るオリジナルの創作ミュージカルだった。ワタシは密かに準主役の少年トム役を狙っていた。
配役を決めるにあたり、それぞれ何でもよいから一曲選びその場でア・カペラで歌うことになった。
急に出された課題、手元に歌詞カードも無く歌えるとすれば…。
咄嗟に選んだ曲が「なごり雪」だった。
ワタシの声は少しハスキーで低め、当時はデコボコが少ない棒の様な体つきだった。髪型はポニーテールにしていたけれどトム役に決まったらベリーショートにしてもいい!という気持ちで臨んだ。演出担当(1つ上の先輩)は多少ワタシに期待してくれていたと思う。
歌うことも好きだったし、この曲も好きだった。自信もあった。
だが、やはり選曲が悪かった。少年ぽさが出せなかったのだ。明らかに演出の顔が曇り、少年トム役は他の男子に決まった。
トム役に決まったT君はちょっと頭でっかちで真面目、物腰はお世辞にもスマートとは言えないタイプの、カマキリみたいな顔の青年だった。一応ミュージカル劇だったので踊ることも求められる。行進する際に右手と右足を同時に出してしまうようなT君、スキップだって怪しい。
トム役を演じるのは相当苦労したと思う。
あの時、別の曲を選んでいたら、何か違っていたかな、トム役に選ばれていたらその後の人生何か違う方向に進んでたのかな。
「なごり雪」を聴きながら一時JKに戻り妄想に浸るこの頃である。